ヒステリー球・逆流性食道炎は、西洋医学では胃酸のコントロールが主眼ですが、鍼では「気・血・自律神経の

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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.08.06

鍼治療

テーマ:

ヒステリー球・逆流性食道炎

「ヒステリー球(ヒステリーきゅう)」とは、喉に何かが詰まっているように感じるのに、実際には何も詰まっていないという症状です。医学的には「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」や「咽喉頭神経症」とも呼ばれます。


【主な特徴】

  • 喉に異物感、詰まり感、締め付け感がある

  • 飲食は問題なくできる(食べ物を飲み込むのに支障がない)

  • 嚥下痛や咳などの他の症状は通常はない

  • 緊張やストレスで悪化することが多い


【原因】

明確な身体的異常がないことが多く、以下のような要因が関係すると言われています:

原因 内容
ストレス・不安 自律神経の乱れや心因性要因が主な原因
咽喉頭の過敏 微小な炎症や感覚過敏
胃酸逆流(逆流性食道炎) 胃酸が上がってきて喉を刺激
更年期障害 ホルモンバランスの乱れで起きることも
首肩の筋緊張 筋肉のこわばりが喉周辺に影響することもある

【対処法】

症状が軽ければ、生活習慣の見直しで改善することが多いです:

▶ 心身のリラックス

  • 深呼吸、ヨガ、瞑想などでストレス軽減

  • 十分な睡眠と休息を取る

▶ 首肩こりの改善

  • ストレッチやマッサージ、鍼灸も効果的

▶ 病気の除外

  • 耳鼻咽喉科で、腫瘍や炎症などの器質的疾患がないか検査

▶ 逆流性食道炎の対策

  • 食事の見直し(脂っこいもの、刺激物を避ける)

  • 胃薬の処方

▶ 心療内科的アプローチ

  • 漢方薬(半夏厚朴湯など)

  • 抗不安薬や抗うつ薬の処方(必要な場合)


【いつ受診すべきか】

以下のような場合は、早めに専門医を受診してください:

  • 飲み込みにくい、痛みを伴う

  • 声のかすれが続く

  • 体重減少など他の症状を伴う

    逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん、GERD: Gastroesophageal Reflux Disease)は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜が炎症を起こす病気です。日本でも近年、増加傾向にあります。


    主な原因

    • 胃酸の逆流:下部食道括約筋(LES)の緩みが原因。

    • 食生活の乱れ:脂っこい食事、過食、早食い。

    • 肥満:腹圧が上がることで逆流が起こりやすくなる。

    • 喫煙・飲酒:LESの機能低下。

    • ストレスや加齢:消化機能の低下。


    ⚠ 主な症状

    • 胸やけ(みぞおちや胸のあたりが焼けるように熱い)

    • 呑酸(のどや口の中に酸っぱい液が上がってくる感じ)

    • 喉の違和感、咳、声枯れ

    • 食後の膨満感

    • 夜間の咳や喘息様症状


    ✅ 対処法・治療法

    生活習慣の改善

    • 食後すぐに横にならない(食後2~3時間は座って過ごす)

    • 胃に負担の少ない食事(脂肪、刺激物を控える)

    • 適正体重の維持

    • 禁煙・節酒

    • 寝るときに頭を高くする(上半身を少し起こす)

    薬物療法

    • PPI(プロトンポンプ阻害薬):胃酸の分泌を強力に抑える

    • H2ブロッカー:PPIより効果は弱いが、副作用が少ない

    • 制酸薬・粘膜保護剤:症状を緩和する

    重症の場合

    • 内視鏡検査で粘膜の状態を確認

    • 胃カメラによる検査でバレット食道などの前癌状態の有無を確認

    • 手術(胃と食道の接合部の機能を補強)


    ‍♀️ 補助療法・民間療法

    • 鍼灸や漢方(六君子湯、半夏瀉心湯など)

    • 自律神経のバランスを整えるケア(ストレス軽減、深呼吸など)


    一言アドバイス

    逆流性食道炎は「軽く見られがち」ですが、慢性化すると食道がんのリスクもあります。


    逆流性食道炎に対する鍼灸的な対処法やセルフケア法は、「胃腸の働きを整え、ストレスを和らげ、横隔膜周辺の緊張を緩める」ことがポイントです。


    鍼灸的アプローチ(東洋医学的視点)

    ✅ 主な治療方針

    • 胃気の調整(胃の気の流れを整える)

    • 肝気の疏泄(ストレスの緩和)

    • 横隔膜・胸腹部の緊張緩和

    • 自律神経のバランス調整

    ✅ よく使うツボ(経穴)

    ツボ名 部位 効果
    中脘(ちゅうかん) みぞおちとおへその中間 胃の働きを調整し、胃酸の逆流を防ぐ
    内関(ないかん) 手首の内側、腕の中央 胃の不快感、胸やけ、ストレスにも有効
    足三里(あしさんり) ひざ下3寸、脛の外側 胃腸全体の調整、免疫力アップ
    膻中(だんちゅう) 胸骨中央 胸のつかえ感、情緒不安定に対応
    太衝(たいしょう) 足の甲、親指と人差し指の間 肝気の流れを整え、ストレスを緩和

    ※症状に応じて、「脾虚(ひきょ)タイプ」や「肝気鬱結(かんきうっけつ)タイプ」など、証に合わせてツボを変えます。


    セルフケア方法

    自分でできるお灸・ツボ押し

    • 内関:親指で30秒ほどじんわり押す。緊張感や胸やけが楽になる。

    • 足三里:お灸(市販の台座灸)を1日1〜2壮、冷えや食欲不振に。

    • 中脘:寝る前に温灸。胃の働きを整えて眠りも深くなる。

    ‍♀️ 呼吸法・ストレッチ

    • 腹式呼吸:副交感神経を優位にして胃酸分泌を安定させます。

    • 猫のポーズ(ヨガ)や背中を伸ばすストレッチ:横隔膜の緊張をほぐす。

    食事・生活アドバイス(鍼灸師視点から)

    • 食事は「よく噛む」ことが最も大事

    • 朝食を抜かない(胃のリズムを整える)

    • 冷たい飲食物は避け、温かい物を中心に

    • 夜のスマホ・TVは控えめにして自律神経を休ませる


    まとめ

    ヒステリー球・逆流性食道炎は、西洋医学では胃酸のコントロールが主眼ですが、鍼では「気・血・自律神経の流れ」を整えることで根本改善をめざします。新宿加藤鍼灸院整骨院にお気軽にご相談ください。