炙甘草湯(しゃかんぞうとう)は、虚弱体質・動悸・息切れ・不整脈・心悸亢進などに用いられる漢方薬で、特に「心気虚・心陰虚・血虚」による症状に適しています。心房細動や徐脈の補助にも使われることがあります。
✅ 炙甘草湯の構成生薬(全9味)
生薬名 |
分量(代表的な例) |
主な作用 |
炙甘草(しゃかんぞう) |
6g |
心を補い、脈を調える(鎮静・強心・緩和) |
生姜(しょうきょう) |
3g |
胃腸を温めて消化を助ける。気を巡らす。 |
桂皮(けいひ) |
3g |
血行促進・寒さを除く。心陽を助ける。 |
人参(にんじん) |
3g |
気を補い、元気をつける。疲労・衰弱に。 |
阿膠(あきょう) |
3g |
血を補い、出血や虚弱に対応。婦人科にも。 |
麻子仁(ましにん) |
3g |
潤腸作用。便秘改善。 |
麦門冬(ばくもんどう) |
5g |
肺と胃を潤し、咳や口渇に。陰を養う。 |
大棗(たいそう) |
3g |
脾胃を補い、精神安定。甘味で調和。 |
地黄(じおう) |
6g |
血と陰を補う。体を冷ましつつ滋養。 |
※メーカーにより分量は若干異なる場合があります(ツムラ:No.64)
炙甘草湯の特徴と適応
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「結代脈(けつだいみゃく)」=脈がとぎれとぎれになるような徐脈の状態に適応
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「虚労」「心悸亢進」「脈微細・不整」など、心臓の力が弱っているタイプに
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古典『傷寒論』では、「脈結代・胸中悸・心中動悸者」に用いると記されています。
使用上の注意
「炙甘草湯が適している体質・適さない体質」がありますので新宿加藤鍼灸院整骨院にご相談下さい。