軽度の徐脈の方は自律神経失調症の鍼治療と漢方相談・食事指導を行います。新宿加藤鍼灸院整骨院へご相談く

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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.07.16

鍼治療

テーマ:

徐脈の原因と治し方

徐脈(じょみゃく、英語:bradycardia)は、安静時の心拍数が通常よりも遅くなる状態で、一般的に1分間に60回未満の脈拍と定義されます。徐脈には生理的なもの病的なものがあります。

✅ 徐脈の主な原因

1. 生理的徐脈(正常な範囲)

  • アスリートやトレーニングを積んだ人

    • 心臓が効率よく血液を送れるため、安静時でも少ない拍動で十分になる。

  • 睡眠中

    • 自律神経の影響で心拍が自然に落ちる。

2. 病的な徐脈

(1)洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome)

  • 心臓のペースメーカー役である洞結節の機能低下。

  • 高齢者に多く、意識消失や疲れやすさを伴うことも。

(2)房室ブロック(AV block)

  • 心房から心室への信号伝達が遅れる、または止まる。

  • 程度により1度、2度、3度に分類。

(3)迷走神経緊張

  • 強いストレス、排便時、痛みなどで起こる一時的な心拍低下。

(4)薬の副作用

  • 特に以下の薬剤で多い:

    • β遮断薬(例:メトプロロール)

    • カルシウム拮抗薬(例:ベラパミル)

    • ジギタリス製剤

    • 一部の睡眠薬や抗不整脈薬

(5)甲状腺機能低下症(橋本病など)

  • 代謝が低下し、心拍も遅くなる。

(6)高齢による心臓の電気系の老化


✅ 徐脈の症状

  • めまい

  • 失神

  • 倦怠感

  • 息切れ

  • 胸の圧迫感

  • 冷や汗

※無症状のことも多いです。


✅ 徐脈の検査

  • 心電図(12誘導ECG)

  • ホルター心電図(24時間記録)

  • 血液検査(甲状腺機能・電解質)

  • 心エコー


✅ 治し方(対処・治療)

1. 治療が不要な場合

  • 無症状の生理的徐脈(運動習慣のある人や睡眠中)なら治療は不要。

2. 原因疾患がある場合

  • 薬の調整:心拍を下げる薬を減らすまたは中止。

  • 甲状腺機能低下症:ホルモン補充治療。

  • 迷走神経反応:脱水や起立性低血圧を防ぐ。

3. 重度・症状がある場合

  • ペースメーカーの埋め込み

    • 心拍が極端に遅くなる、失神がある場合に使用。

    • 特に洞不全症候群や高度房室ブロックが適応。


✅ 鍼灸や生活でのケア(補助的)

鍼灸・漢方のアプローチ(補助療法)

  • 自律神経調整を目的とした治療(例:内関、神門、百会などのツボ)

  • 漢方薬:補中益気湯、八味地黄丸などが使われることも(体質次第)

生活面での対策

  • 適度な運動(過度な運動は控える)

  • 十分な水分と塩分

  • カフェイン摂取(軽度の徐脈には効果あり)

  • ストレスの軽減、睡眠の確保


✅ すぐに病院に行くべき症状

  • 意識を失った

  • 強いめまいや立ちくらみ

  • 呼吸困難

  • 胸の痛みや圧迫感

     

     

    徐脈(脈が遅くなる状態)のときの食事は、心臓や自律神経の働きをサポートする栄養素を意識し、血流を良くし代謝を整えることが重要です。

     


    ✅ 徐脈に良い食事・栄養素

    1. カリウム・マグネシウムを含む食品

    → 心筋や神経の電気的興奮に関与

    • バナナ、アボカド、ほうれん草

    • 大豆製品(納豆、豆腐)

    • ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)

    • ひじき、わかめ、海藻類

    ※腎臓病がある方はカリウム制限が必要なこともあります。


    2. ビタミンB群(特にB1)

    → 自律神経の調整・心臓の機能を保つ

    • 豚肉

    • 玄米、雑穀米

    • 海苔

    • たまご

    • にんにく


    3. 鉄分・葉酸・ビタミンB12

    → 貧血予防と心拍サポート

    • レバー、赤身の肉

    • あさり、しじみ

    • 緑の葉野菜(ほうれん草、小松菜)

    • 大豆製品


    4. 適度な塩分・水分補給

    → 血圧を維持し、低血圧や迷走神経反射の予防に

    • 朝起きたときや立ちくらみしやすい人は、コップ1杯の水と少量の塩(味噌汁などでも可)を


    5. 温かい食事を中心に

    → 血流促進、自律神経を落ち着かせる

    • 味噌汁、生姜湯、スープなど


    ❌ 徐脈のときに避けたい食べ物・飲み物

    食品 理由
    アルコール 自律神経を乱し、心拍が低下することがある
    カフェインのとりすぎ 一時的に心拍を上げるが、反動で悪化することがある
    冷たい飲食 血管が収縮し、自律神経のバランスを崩す
    極端な減塩 低ナトリウム血症により徐脈が悪化することも
    極端なダイエット・絶食 栄養不足で心臓の筋力低下・電解質異常を引き起こす

    ✅ 簡単なおすすめメニュー例

    食事 メニュー例
    朝食 玄米ご飯、味噌汁(豆腐とわかめ)、納豆、バナナ
    昼食 豚の生姜焼き、ひじき煮、小松菜のおひたし
    夕食 サバの味噌煮、ほうれん草のごま和え、アサリの味噌汁
    間食 無塩ナッツ、干し芋、生姜湯

    補足

    • 徐脈が薬の副作用や病気由来であれば、栄養だけで改善するのは難しいため、医師の診断が第一です。

    • 食事でのアプローチは、軽度の徐脈・体質傾向の補助的な対処と考えてください。

    軽度の徐脈の方は自律神経失調症の鍼治療と漢方相談・食事指導を行います。新宿加藤鍼灸院整骨院へご相談ください。

    心房細動とは?

    正常な心拍の流れ(洞調律):

    • 洞結節がペースメーカーとして働き、心房 → 房室結節 → 心室へと一定のリズムで伝わる。

    心房細動の場合:

    • 心房が 毎分350~600回という非常に速く・不規則な電気信号を出し、心房が「けいれん」状態に。

    • 心室(実際に血液を送り出す部屋)は、その不規則な刺激を受けて 不整な速い脈(頻脈)を打つ。


    主な症状(無症状のこともあり)

    • 動悸(どきどきする)

    • 息切れ、胸の圧迫感

    • めまい、ふらつき

    • 疲れやすい、倦怠感

    • 失神

    • 無症状のまま脳梗塞が起こることも…


    原因と危険因子

    分類 主な内容
    心臓の病気 高血圧、心不全、心筋症、弁膜症(特に僧帽弁)、冠動脈疾患など
    全身の病気 甲状腺機能亢進症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群
    生活習慣 飲酒(特に過度のアルコール)、喫煙、ストレス、過労
    年齢 高齢者に多く、80代では10人に1人とも言われます

    ⚠️ 心房細動の合併症

    1. 脳梗塞(心原性脳塞栓症)

      • 心房に血液がよどみ、**血栓(血のかたまり)**ができやすくなり、それが脳に飛ぶ。

      • 心房細動の患者は、脳梗塞リスクが5倍以上

    2. 心不全

      • 心房の収縮がなくなるため、心拍出量が低下。

      • 頻脈性心筋症を引き起こすことも。


    治療

    ① 脈のコントロール(心拍数を正常範囲に)

    • β遮断薬(例:ビソプロロール)

    • カルシウム拮抗薬(例:ジルチアゼム)

    • ジギタリスなど

    ② リズムコントロール(正常なリズムに戻す)

    • 抗不整脈薬(アミオダロンなど)

    • 電気的除細動(ショック)

    • カテーテルアブレーション(心房内の異常な電気経路を焼灼)

    ③ 抗凝固療法(血栓を予防)

    • ワルファリン

    • DOAC(直接経口抗凝固薬):エリキュース、リクシアナ、プラザキサなど

    ※脳梗塞リスク(CHA₂DS₂-VAScスコア)に基づいて抗凝固薬の必要性を判断。


    東洋医学・鍼灸の視点

    東洋医学では、心房細動を以下のようにとらえます:

    タイプ 特徴 可能なアプローチ
    心気虚 疲れやすく動悸・不安感 補気・養心(黄耆、人参、竜眼肉など)
    陰虚火旺 イライラ・動悸・不眠 滋陰清熱(知母、麦門冬、天門冬など)
    瘀血阻絡 血行不良・刺痛・舌が紫 活血化瘀(丹参、赤芍、桃仁など)

    鍼灸では、「心兪」「厥陰兪」「内関」「神門」「心包経」などを用いて自律神経の調整不整脈の安定化を目指す施術が行われます。

    炙甘草湯(しゃかんぞうとう)は、虚弱体質・動悸・息切れ・不整脈・心悸亢進などに用いられる漢方薬で、特に「心気虚・心陰虚・血虚」による症状に適しています。心房細動や徐脈の補助にも使われることがあります。


    炙甘草湯の構成生薬(全9味)

    生薬名 分量(代表的な例) 主な作用
    炙甘草(しゃかんぞう) 6g 心を補い、脈を調える(鎮静・強心・緩和)
    生姜(しょうきょう) 3g 胃腸を温めて消化を助ける。気を巡らす。
    桂皮(けいひ) 3g 血行促進・寒さを除く。心陽を助ける。
    人参(にんじん) 3g 気を補い、元気をつける。疲労・衰弱に。
    阿膠(あきょう) 3g 血を補い、出血や虚弱に対応。婦人科にも。
    麻子仁(ましにん) 3g 潤腸作用。便秘改善。
    麦門冬(ばくもんどう) 5g 肺と胃を潤し、咳や口渇に。陰を養う。
    大棗(たいそう) 3g 脾胃を補い、精神安定。甘味で調和。
    地黄(じおう) 6g 血と陰を補う。体を冷ましつつ滋養。

    ※メーカーにより分量は若干異なる場合があります(ツムラ:No.64)


    炙甘草湯の特徴と適応

    • 結代脈(けつだいみゃく)」=脈がとぎれとぎれになるような徐脈の状態に適応

    • 「虚労」「心悸亢進」「脈微細・不整」など、心臓の力が弱っているタイプ

    • 古典『傷寒論』では、「脈結代・胸中悸・心中動悸者」に用いると記されています。


    使用上の注意

    • 甘草の量が多いため、長期服用や併用薬に注意

       → 偽アルドステロン症(浮腫、高血圧、低カリウム血症)を起こすことがあります。

    • 血が滞るタイプや熱が強い体質の方には不向きな場合もあります。


    「炙甘草湯が適している体質・適さない体質」がありますので新宿加藤鍼灸院整骨院にご相談下さい。