帯状疱疹はヘルペスウイルス

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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.07.07

鍼治療

テーマ:

ヘルペス後神経痛

ヘルペス後神経痛(Postherpetic Neuralgia: PHN)と鍼治療


ヘルペス後神経痛(PHN)とは?

帯状疱疹(ヘルペスウイルスの再活性化)後、皮疹が治癒しても3か月以上続く神経痛のことを「ヘルペス後神経痛(PHN)」と呼びます。

当院の見解と治療法

免疫力が減少している人で免疫力が低下した部位、例えば筋肉が緊張して血流が乏しい箇所に感染すると皮疹後に瘢痕組織になり組織が硬くなり神経の圧迫要因になるので痛みが残ります。

当院にて鍼治療をすると硬い瘢痕組織が柔らかくなるので神経の圧迫が緩和され痛みが消失します。

主な症状:

  • 焼けるような痛み、刺すような痛み

  • 皮膚の過敏(触れるだけで痛い)

  • 長期間(数か月〜数年)続くこともある


鍼治療の効果と研究状況

1. 鍼治療の目的

  • 神経痛の緩和(痛みの軽減)

  • 血流の改善

  • 自律神経の調整

  • 脳の痛み信号の抑制

2. 効果に関する研究と報告

  • 鍼灸が慢性神経痛に有効であるという報告は多く、PHNも対象に含まれることがある。

  • 一部の研究では、通常の薬物治療(リリカ、トリプタノール等)と併用することで症状が軽減された例がある。

  • 鍼灸は副作用が少なく、薬物に耐性がない人にも選択肢となる。

3. どのような鍼法が用いられるか

  • 局所刺鍼:痛みがある部位の近くに鍼を刺す

  • 経絡治療:全身の気血の流れを整える

  • 電気鍼(パルス鍼):微弱な電流を流すことで刺激を強化


まとめ

項目 内容
適応 ヘルペス後神経痛の慢性的な痛みの軽減
効果 痛みの緩和、血流改善、生活の質の向上
 

ヘルペスウイルスは同じグループのウイルスですが、帯状疱疹・口唇ヘルペス・性器ヘルペスは、それぞれ異なるタイプのヘルペスウイルスが原因です


ヘルペスウイルスとは?

人に感染するヒトヘルペスウイルス(HHV: Human Herpes Virus)は、現在9種類が知られています。そのうち、以下が関係します:

疾患名 ウイルス名 ヘルペスウイルスのタイプ
口唇ヘルペス / 性器ヘルペス 単純ヘルペスウイルス(HSV) HHV-1(HSV-1)、HHV-2(HSV-2)
帯状疱疹(と水ぼうそう) 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV) HHV-3

いずれも「ヘルペスウイルス科」に属するが、ウイルスのタイプは異なるということです。


詳しく見てみると…

◆ 単純ヘルペスウイルス(HSV)

  • HSV-1:主に口唇ヘルペスの原因(ただし性器にも感染することがある)

  • HSV-2:主に性器ヘルペスの原因(ただし口唇にも感染可能)

どちらも「単純ヘルペスウイルス」と呼ばれ、皮膚や粘膜に水ぶくれや痛みを引き起こします。


◆ 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

  • 子どものとき:水ぼうそう(初感染)

  • 大人になって再活性化:帯状疱疹

これはHHV-3型で、HSVとは違うタイプのウイルスです。


 

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で起こります。子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏しており、免疫力が低下したときに再活性化して帯状疱疹として現れます。

免疫力が低下する主な原因:

1. 加齢

  • 高齢になると自然免疫や細胞性免疫が弱くなり、ウイルスの再活性化が起きやすくなります。

  • 特に50歳以上で発症率が高くなります。

2. ストレス

  • 精神的・肉体的ストレスは免疫機能を低下させます。

  • 睡眠不足や過労なども影響します。

3. 病気や治療の影響

  • がん(特に血液のがん:白血病、リンパ腫など)

  • HIV/AIDS

  • 自己免疫疾患(リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)

  • 免疫抑制治療(ステロイドや免疫抑制薬、化学療法など)

4. 糖尿病

  • 慢性疾患として免疫機能に影響を与えることが知られています。

5. 栄養不良

  • ビタミンやミネラルの不足は免疫力の低下に直結します。

6. ワクチン未接種

  • 帯状疱疹の予防ワクチン(シングリックスなど)を接種していない人は、特に高齢者ではリスクが上がります。