細胞の種類 関連疾患例 杆体細胞 網膜色素変性症、夜盲症 錐体細胞 加齢黄斑変性、スターガルト病 網

Blog

新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.07.19

鍼治療

テーマ:

衰退する網膜の細胞に関係する病気

衰退する網膜の細胞に関係する病気には、視細胞(杆体・錐体)や網膜の神経細胞が変性・障害される疾患が多く含まれます。以下は代表的な病気です。


1. 加齢黄斑変性(AMD:Age-related Macular Degeneration)

  • 概要:加齢により網膜の中心部「黄斑」が変性する。

  • 症状:視野の中心が歪む・ぼやける・暗くなる。

  • 関係細胞錐体細胞(特に中心視に関与)と**網膜色素上皮細胞(RPE)**の機能低下。

  • 原因:加齢・遺伝・喫煙・活性酸素など。


2. 網膜色素変性症(RP:Retinitis Pigmentosa)

  • 概要:遺伝性の進行性疾患で、視細胞が徐々に死滅。

  • 症状:夜盲、視野狭窄(トンネル視)、最終的に失明に至ることも。

  • 関係細胞杆体細胞(暗所視)、次第に錐体細胞も障害される。

  • 原因:遺伝子異常(数百種類以上が報告)。


3. 糖尿病網膜症

  • 概要:糖尿病による血管障害が網膜に影響。

  • 症状:初期は無症状、進行すると出血・浮腫・視力低下。

  • 関係細胞神経網膜の細胞(神経節細胞など)や毛細血管周囲の支持細胞(ペリサイト)。

  • 原因:高血糖による微小血管障害。


⚡ 4. 網膜剥離

  • 概要:網膜が眼球壁から剥がれる。

  • 症状:光視症(閃光感)、飛蚊症、視野欠損。

  • 関係細胞全層の網膜細胞が酸素や栄養供給を絶たれ壊死。

  • 原因:近視、外傷、加齢など。


5. スターガルト病(Stargardt病)

  • 概要:若年性の遺伝性黄斑変性。網膜色素上皮にリポフスチンという老廃物が蓄積。

  • 症状:視力低下、中心暗点。

  • 関係細胞錐体細胞網膜色素上皮細胞(RPE)

  • 原因:主にABCA4遺伝子の異常。


6. 視神経萎縮・緑内障

  • 概要:視神経が萎縮し、網膜の神経節細胞が死滅。

  • 症状:視野欠損(特に周辺)、進行すると失明。

  • 関係細胞網膜神経節細胞(RGC)

  • 原因:眼圧上昇、血流障害など。


まとめ:関係する網膜細胞別の分類

細胞の種類 関連疾患例
杆体細胞 網膜色素変性症、夜盲症
錐体細胞 加齢黄斑変性、スターガルト病
網膜色素上皮細胞(RPE) 加齢黄斑変性、スターガルト病
神経節細胞(RGC) 緑内障、視神経萎縮
毛細血管・支持細胞 糖尿病網膜症
 

錐体桿体ジストロフィー(Cone-Rod Dystrophy:CRD)は、視細胞である錐体細胞杆体細胞が徐々に機能を失っていく遺伝性の網膜変性疾患です。中心視力や色覚が先に障害され、進行すると夜盲や視野狭窄も起こります。


【1】錐体桿体ジストロフィーの基本情報

項目 内容
主な症状 色覚異常、視力低下(中心視野)、羞明、夜盲、視野欠損
発症時期 幼児〜青年期に発症することが多い
原因 遺伝子異常(ABCA4、RPGR、CRX など多数)
進行 錐体細胞が先に障害 → 杆体細胞も徐々に障害される

【2】鍼灸による補助的な対応

錐体桿体ジストロフィーは遺伝性疾患であり、鍼灸で視細胞の再生そのものは困難ですが、以下のような進行抑制・全身の代謝改善・症状緩和を目的とした対応が可能です。

鍼灸の目的:

  • 眼周囲の血流促進(視細胞への酸素・栄養供給の補助)

  • 自律神経調整(目の緊張緩和、羞明や眼精疲労の軽減)

  • 全身の代謝改善(特に肝腎の機能を高める)

使用される主な経穴:

経穴 目的
攅竹(さんちく)・晴明(せいめい) 眼精疲労・羞明の軽減
太陽(たいよう) 目の充血・緊張緩和
合谷(ごうこく) 自律神経調整、目の痛み緩和
肝兪(かんゆ)・腎兪(じんゆ) 肝腎の補強(中医学的な眼の源)
足三里(あしさんり) 免疫・代謝全般の強化

【3】漢方薬による体質改善・症状緩和

中医学では「肝は目に開竅する」「腎は精を蔵す」といわれ、肝・腎の虚弱が目の疾患につながると考えます。

考えられる漢方処方:

漢方薬 主な作用・適応
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん) 肝腎陰虚の補強。視力低下・目の乾燥・老化予防
八味地黄丸(はちみじおうがん) 腎陽虚タイプ向け。夜間視力の低下、疲労感
知柏地黄丸(ちばくじおうがん) 陰虚火旺タイプ。目のほてり・羞明などに
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 腎虚+水分代謝障害タイプに。下肢のだるさも伴う場合
加味逍遥散(かみしょうようさん) ストレス性の視力低下や自律神経症状があるとき

⚠️これらの処方は証(体質)に基づいた個別判断が必要です。漢方専門医・鍼灸師と相談して選定しましょう。


【4】現代医療との併用が前提

  • CRDに対しては**遺伝子治療・再生医療(iPS細胞)**の研究が進んでいますが、実用化はまだ限定的です。

  • そのため、西洋医学+鍼灸+漢方の統合的アプローチで、進行を遅らせ生活の質を保つことが現実的です。


まとめ

アプローチ 目的
鍼灸 血流促進、自律神経調整、肝腎の強化
漢方 肝腎の虚を補う、羞明・目の疲れ緩和
西洋医学 定期的な網膜検査、症状の管理、将来的な遺伝子治療

眼精疲労など目に関係する疾患は東洋医学全般に精通している

新宿加藤鍼灸院整骨院にご相談ください。