コリや痛み=妊娠できない直接の原因ではないが、間接的に妊娠しにくい状態をつくっていることは多いです。
なぜコリや痛みが妊娠と関係あるのか?
1. 自律神経の乱れ
2. 血流不良
3. 身体の冷え
4. 慢性的な痛みはストレスになる
♀️ どうすればいい?
補足
特に不妊治療中の人が「なかなか結果が出ない」と感じているとき、意外なほど身体のコリや不調を整えただけで妊娠したというケースもあります。体と心はつながっているので、妊活では「不調を放置しない」ことが大事です。
着床困難の原因
着床困難の原因はさまざまですが、大きく分けて「受精卵側の要因」と「子宮側の要因」、そして「全身的な要因」に分類できます。以下に代表的な原因を示します。
① 受精卵(胚)側の要因
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染色体異常
→ 受精卵に染色体の数的・構造的異常があると、正常に着床できません。年齢とともにそのリスクが増します。
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卵子の質の低下
→ 加齢や卵巣機能の低下、生活習慣の影響で卵子の質が落ちると着床率が下がります。
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胚の発育不良
→ 体外受精などで培養中に胚の成長が止まることがあります。
② 子宮側の要因
③ 全身的・免疫的要因
④ その他の因子
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生活習慣
→ 喫煙、過度な飲酒、ストレス、過度なダイエットなどが影響します。
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ピル・ホルモン治療歴
→ 長期使用後のホルモンバランスの乱れなど。
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原因不明(unexplained infertility)
→ 検査しても明確な原因が見つからないケースも少なくありません。
着床困難が疑われるときの検査例
慢性子宮内膜炎の主な検査方法
1. CD138免疫染色(病理組織検査)
2. HE染色(ヘマトキシリン・エオシン染色)
3. 子宮鏡検査
4. 細菌培養検査(子宮内膜)
検査の流れ(一般的)
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月経周期の中期以降(排卵後〜月経前)に子宮内膜生検を行う。
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採取した内膜をCD138染色。
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結果は1〜2週間程度で判明。
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必要に応じて抗生物質治療(例:ドキシサイクリンなど)を行う。
注意点・補足
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CD138陽性でも、背景に子宮内膜症や子宮腺筋症などがある場合、診断・治療に工夫が必要です。
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不妊治療中の患者では、反復着床不全や流産の原因精査の一環として行われます。
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治療後(抗菌薬など)は、再度CD138染色で治癒確認する施設もあります。
免疫・自己抗体検査は、自己免疫疾患の診断や評価のために行われる血液検査で、自己抗体(自分自身の細胞や組織を標的とする抗体)を検出します。代表的な検査項目には以下のようなものがあります。
主な免疫・自己抗体検査項目
1. 抗核抗体(ANA:antinuclear antibody)
2. 抗リン脂質抗体(aPL:antiphospholipid antibodies)
3. 抗ds-DNA抗体(二本鎖DNA抗体)
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関連疾患:SLE(特異度が高い)
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疾患活動性の指標にも
4. 抗Sm抗体(スミス抗体)
5. 抗SS-A抗体 / 抗SS-B抗体
6. 抗RNP抗体
7. 抗Scl-70抗体
8. 抗Jo-1抗体
検査の使い分けと意義
疾患 |
特異的抗体 |
SLE |
抗ds-DNA抗体、抗Sm抗体、抗核抗体 |
シェーグレン症候群 |
抗SS-A、抗SS-B |
強皮症 |
抗Scl-70、抗セントロメア抗体 |
MCTD |
抗RNP抗体 |
多発性筋炎・皮膚筋炎 |
抗Jo-1抗体 |
抗リン脂質抗体症候群 |
抗カルジオリピン、抗β2GPI、LAC |
■ 子宮内膜着床能検査(ERA検査)とは?
ERA(Endometrial Receptivity Analysis)検査は、不妊治療の一環として行われる子宮内膜の着床能(受精卵が着床しやすい時期)を調べる検査です。
◆ 背景
通常、受精卵が子宮内膜に着床できるのは「着床の窓(Window of Implantation)」と呼ばれる限られた時期(排卵後約5~7日)です。しかし、このタイミングがずれていると、良好な胚を移植しても着床しないことがあります。
◆ 検査の目的
ERA検査は、子宮内膜の遺伝子発現を調べることで、「着床の窓」が開いているかどうか、あるいはズレているかを判定し、最適な胚移植のタイミングを特定することが目的です。
■ 検査の流れ
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ホルモン補充周期または自然周期で内膜を準備
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胚移植と同じタイミングで子宮内膜の一部を採取(生検)
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内膜組織の遺伝子解析(約238個の遺伝子を分析)
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約2~3週間後に結果報告:「Receptive(着床に適した時期)」か「Non-Receptive(適していない)」
■ 結果による対応
結果 |
意味 |
対応 |
Receptive |
着床に最適な時期 |
検査時と同様のタイミングで胚移植 |
Pre-Receptive |
着床の窓がまだ開いていない |
胚移植のタイミングを1日遅らせるなど調整 |
Post-Receptive |
着床の窓が閉じた後 |
胚移植を前倒しで調整 |
■ 対象となる人
■ 費用・保険適用
■ 注意点・限界
■ 他の関連検査
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EMMA検査:内膜の細菌叢(マイクロバイオーム)を調べる
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ALICE検査:子宮内膜慢性炎症(子宮内膜炎)を調べる
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これらをまとめて調べる「EndomeTRIO」というパッケージもあります。
■ 結論
ERA検査は、着床時期のズレを特定することで、胚移植の成功率を高める可能性がある検査です。特に反復着床不全の方には、検討する価値がある手段の一つといえるでしょう。