鍼や漢方薬、整体、マッサージなど自然療法で身体の緊張をほぐす

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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.06.16

鍼治療

テーマ:

コリや痛みがあるだけで妊娠できない(着床困難な)人が多い

⁂新宿加藤鍼灸院整骨院にて鍼治療、漢方薬

マッサージ、整体で体質改善をして不妊治療を成功へ導きましょう⁂

「コリや痛みがあるだけで妊娠できない(着床困難な)人が多い」というのは、一見すると意外かもしれませんが、実際には身体の状態と妊娠のしやすさ(妊孕性)には密接な関係があります。

コリや痛み=妊娠できない直接の原因ではないが、間接的に妊娠しにくい状態をつくっていることは多いです。


なぜコリや痛みが妊娠と関係あるのか?

1. 自律神経の乱れ

  • 肩こりや腰痛は、ストレスや自律神経の乱れのサインでもあります。

  • 自律神経が乱れると、ホルモンバランスにも影響 → 排卵障害や生理不順の原因に。

2. 血流不良

  • 筋肉がこっている状態では、骨盤周りや子宮・卵巣への血流が悪化

  • 子宮内膜が厚くならなかったり、卵巣機能が低下したりと、妊娠に必要な条件が整いにくくなる。

3. 身体の冷え

  • コリ=血行不良=冷えの原因になることも。

  • 冷えは子宮や卵巣の働きを弱めるとされ、妊娠の妨げに。

4. 慢性的な痛みはストレスになる

  • ストレスは妊娠にとって大敵。

  • 慢性的な不調があると、それだけで交感神経優位の状態が続き、着床しにくくなる可能性もある。


‍♀️ どうすればいい?

  • 鍼や漢方薬、整体、マッサージなど自然療法で身体の緊張をほぐす

  • ストレッチや軽い運動で血流を改善

  • 十分な睡眠とストレスケア


補足

特に不妊治療中の人が「なかなか結果が出ない」と感じているとき、意外なほど身体のコリや不調を整えただけで妊娠したというケースもあります。体と心はつながっているので、妊活では「不調を放置しない」ことが大事です。

 
着床困難の原因

着床困難の原因はさまざまですが、大きく分けて「受精卵側の要因」と「子宮側の要因」、そして「全身的な要因」に分類できます。以下に代表的な原因を示します。


① 受精卵(胚)側の要因

  • 染色体異常

    → 受精卵に染色体の数的・構造的異常があると、正常に着床できません。年齢とともにそのリスクが増します。

  • 卵子の質の低下

    → 加齢や卵巣機能の低下、生活習慣の影響で卵子の質が落ちると着床率が下がります。

  • 胚の発育不良

    → 体外受精などで培養中に胚の成長が止まることがあります。


② 子宮側の要因

  • 子宮内膜の状態不良

    • 内膜が薄すぎる(一般に7mm未満だと着床しにくい)

    • 内膜の血流不足

  • 子宮内膜炎(慢性子宮内膜炎)

    → 子宮内膜に慢性的な炎症があると、着床が阻害されます。

  • 子宮の形態異常

    • 子宮筋腫(特に粘膜下筋腫)

    • 子宮内膜ポリープ

    • 子宮内癒着(Asherman症候群)

    • 先天的な子宮奇形(双角子宮など)


③ 全身的・免疫的要因

  • 自己免疫異常

    → 抗リン脂質抗体症候群、自己抗体などが着床を阻害することがあります。

  • 免疫寛容の異常

    → 胚は半分が父親由来の「異物」なので、正常な妊娠には母体の免疫がある程度それを「許容」する必要があります。

  • 甲状腺機能異常(特に橋本病など)

  • 糖尿病、インスリン抵抗性

  • 高プロラクチン血症


④ その他の因子

  • 生活習慣

    → 喫煙、過度な飲酒、ストレス、過度なダイエットなどが影響します。

  • ピル・ホルモン治療歴

    → 長期使用後のホルモンバランスの乱れなど。

  • 原因不明(unexplained infertility)

    → 検査しても明確な原因が見つからないケースも少なくありません。


着床困難が疑われるときの検査例

  • 子宮鏡検査、超音波検査(子宮構造の確認)

  • 慢性子宮内膜炎の検査(CD138染色など)

  • 免疫・自己抗体検査(抗核抗体、抗リン脂質抗体など)

  • 子宮内膜着床能検査(ERA検査など)

  • ホルモン検査(甲状腺、プロラクチン、AMHなど)



慢性子宮内膜炎の主な検査方法

1. CD138免疫染色(病理組織検査)

  • 目的:形質細胞(plasma cells)の検出。形質細胞は慢性炎症の指標。

  • 方法

    • 子宮内膜を生検し、CD138抗体を用いた免疫染色を行う。

    • CD138陽性細胞(=形質細胞)が見つかれば、慢性子宮内膜炎と診断される。

  • 基準:通常、1視野に1個以上のCD138陽性形質細胞があれば診断される施設が多い(施設によって異なる)。

  • 利点:高感度・高特異度。偽陰性や偽陽性が少ない。


2. HE染色(ヘマトキシリン・エオシン染色)

  • CD138染色を補助する古典的手法ですが、形質細胞の識別が難しく、経験に依存します。


3. 子宮鏡検査

  • 所見:微細な出血点、白斑、びらん、浮腫など。

  • 役割:視覚的に炎症兆候を観察できるが、確定診断にはならない。

  • 利点:同時に生検が可能。


4. 細菌培養検査(子宮内膜)

  • 目的:子宮内膜に存在する細菌を同定。

  • 限界:培養で原因菌が出ないことも多い(子宮内は無菌ではなく、検出=病因とは限らない)。


検査の流れ(一般的)

  1. 月経周期の中期以降(排卵後〜月経前)に子宮内膜生検を行う。

  2. 採取した内膜をCD138染色。

  3. 結果は1〜2週間程度で判明。

  4. 必要に応じて抗生物質治療(例:ドキシサイクリンなど)を行う。


注意点・補足

  • CD138陽性でも、背景に子宮内膜症や子宮腺筋症などがある場合、診断・治療に工夫が必要です。

  • 不妊治療中の患者では、反復着床不全や流産の原因精査の一環として行われます。

  • 治療後(抗菌薬など)は、再度CD138染色で治癒確認する施設もあります。

免疫・自己抗体検査は、自己免疫疾患の診断や評価のために行われる血液検査で、自己抗体(自分自身の細胞や組織を標的とする抗体)を検出します。代表的な検査項目には以下のようなものがあります。


主な免疫・自己抗体検査項目

1. 抗核抗体(ANA:antinuclear antibody)

  • 概要:細胞核に対する自己抗体。多くの自己免疫疾患で陽性になります。

  • 基準値:通常、40倍未満(施設によって異なる)

  • 関連疾患

    • 全身性エリテマトーデス(SLE)

    • シェーグレン症候群

    • 強皮症

    • 混合性結合組織病(MCTD)など

2. 抗リン脂質抗体(aPL:antiphospholipid antibodies)

  • 主な種類

    • 抗カルジオリピン抗体(aCL)

    • 抗β2グリコプロテインI抗体(anti-β2GPI)

    • ループスアンチコアグラント(LAC)

  • 関連疾患

    • 抗リン脂質抗体症候群(APS)

    • SLE合併症

  • 臨床的意義

    • 血栓症(動脈・静脈)

    • 習慣流産や不育症

3. 抗ds-DNA抗体(二本鎖DNA抗体)

  • 関連疾患:SLE(特異度が高い)

  • 疾患活動性の指標にも

4. 抗Sm抗体(スミス抗体)

  • 特異度が非常に高い

  • SLEに特異的

5. 抗SS-A抗体 / 抗SS-B抗体

  • 関連疾患

    • シェーグレン症候群

    • SLE(特にSS-A)

6. 抗RNP抗体

  • 混合性結合組織病(MCTD)に特徴的

7. 抗Scl-70抗体

  • 関連疾患:強皮症(特にびまん型)

8. 抗Jo-1抗体

  • 関連疾患:多発性筋炎 / 皮膚筋炎、間質性肺炎を伴うことも


検査の使い分けと意義

疾患 特異的抗体
SLE 抗ds-DNA抗体、抗Sm抗体、抗核抗体
シェーグレン症候群 抗SS-A、抗SS-B
強皮症 抗Scl-70、抗セントロメア抗体
MCTD 抗RNP抗体
多発性筋炎・皮膚筋炎 抗Jo-1抗体
抗リン脂質抗体症候群 抗カルジオリピン、抗β2GPI、LAC

 

■ 子宮内膜着床能検査(ERA検査)とは?

ERA(Endometrial Receptivity Analysis)検査は、不妊治療の一環として行われる子宮内膜の着床能(受精卵が着床しやすい時期)を調べる検査です。

◆ 背景

通常、受精卵が子宮内膜に着床できるのは「着床の窓(Window of Implantation)」と呼ばれる限られた時期(排卵後約5~7日)です。しかし、このタイミングがずれていると、良好な胚を移植しても着床しないことがあります。

◆ 検査の目的

ERA検査は、子宮内膜の遺伝子発現を調べることで、「着床の窓」が開いているかどうか、あるいはズレているかを判定し、最適な胚移植のタイミングを特定することが目的です。


■ 検査の流れ

  1. ホルモン補充周期または自然周期で内膜を準備

  2. 胚移植と同じタイミングで子宮内膜の一部を採取(生検)

  3. 内膜組織の遺伝子解析(約238個の遺伝子を分析)

  4. 約2~3週間後に結果報告:「Receptive(着床に適した時期)」か「Non-Receptive(適していない)」


■ 結果による対応

結果 意味 対応
Receptive 着床に最適な時期 検査時と同様のタイミングで胚移植
Pre-Receptive 着床の窓がまだ開いていない 胚移植のタイミングを1日遅らせるなど調整
Post-Receptive 着床の窓が閉じた後 胚移植を前倒しで調整

■ 対象となる人

  • 良好な胚を何度も移植しても着床しない人(反復着床不全)

  • 着床タイミングに疑いがある人

  • 移植のタイミングを正確に把握したい人


■ 費用・保険適用

  • 日本では**保険適用外(自費診療)**です。

  • クリニックによって異なりますが、約8~15万円程度が一般的です。


■ 注意点・限界

  • 必ずしも妊娠率が劇的に上がるわけではありません。

  • 着床障害の原因は子宮内膜だけでなく、免疫・血液の問題、胚側の問題などもあります。

  • 内膜の状態は周期ごとに変わる可能性があるため、再検査が必要なこともあります。


■ 他の関連検査

  • EMMA検査:内膜の細菌叢(マイクロバイオーム)を調べる

  • ALICE検査:子宮内膜慢性炎症(子宮内膜炎)を調べる

  • これらをまとめて調べる「EndomeTRIO」というパッケージもあります。


■ 結論

ERA検査は、着床時期のズレを特定することで、胚移植の成功率を高める可能性がある検査です。特に反復着床不全の方には、検討する価値がある手段の一つといえるでしょう。