腰痛症、腰部捻挫、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症

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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.06.04

鍼治療

テーマ:

腰痛と鍼治療

当院での腰の痛みに対しての鍼治療(はりちりょう)は、根本(筋肉、神経)から治すので効果が長期間続きます。

当院の腰痛に対する鍼治療は、東洋医学(主に中医学)を基盤とした治療法だけでなく、西洋医学を加味した視点から痛みの原因にアプローチします。

当院では一回で緩解する方が多く、原因により長くても五回までに緩解する方がほとんどです。

どちらに行っても治らない方は是非一度ご来院ください。

腰痛に関係する筋肉

1. 脊柱起立筋群(せきちゅうきりつきんぐん)

  • 部位:背骨に沿って走る長い筋肉群

  • 役割:体を起こす、姿勢を保つ

  • 関与:長時間の座位や姿勢不良で過緊張になりやすい

2. 腰方形筋(ようほうけいきん)

  • 部位:骨盤と肋骨の間に位置

  • 役割:体幹の側屈や姿勢維持

  • 関与:片側のみの荷重やバランス不良で痛みを生じることがある

3. 腸腰筋(ちょうようきん)

  • 部位:腰椎から大腿骨に走る深部の筋肉(大腰筋+腸骨筋)

  • 役割:股関節の屈曲

  • 関与:デスクワークなどで短縮しやすく、腰椎前弯が強くなる

4. 殿筋群(大殿筋・中殿筋・小殿筋)

  • 部位:お尻の筋肉

  • 役割:股関節の伸展、外転、姿勢の安定

  • 関与:筋力低下で骨盤が不安定になり、腰に負担

5. 多裂筋(たれつきん)

  • 部位:椎骨の間をつなぐ深部の小さな筋肉

  • 役割:脊椎の安定化

  • 関与:運動不足や不良姿勢で働きが低下し、慢性腰痛に


腰痛に関係する神経

1. 坐骨神経(ざこつしんけい)

  • 部位:腰仙骨神経叢から出て下肢へ向かう太い神経

  • 関与:ヘルニアや狭窄症で圧迫されると坐骨神経痛(下肢への放散痛)が起きる

2. 腰神経叢(ようしんけいそう)

  • 構成:L1〜L4神経根

  • 関与:腹部・下肢前面の感覚や運動に関係し、神経根障害が腰痛の原因に

3. 仙骨神経叢(せんこつしんけいそう)

  • 構成:L4〜S4神経根

  • 関与:臀部・下肢後面の感覚や運動に関連し、椎間板ヘルニアなどで障害される


まとめ

分類 主な構造 腰痛との関連
筋肉 脊柱起立筋、腸腰筋、殿筋、多裂筋、腰方形筋 筋疲労、姿勢不良、筋力低下による痛み
神経 坐骨神経、腰神経叢、仙骨神経叢 神経圧迫、炎症による神経性の痛みやしびれ

✅ 腰痛に対する鍼治療の基本

1. 治療の目的

  • 気血の流れの改善:気(エネルギー)や血の滞りを解消し、痛みやこりを緩和。

  • 筋肉・神経の緊張緩和:過緊張状態を和らげ、血流を改善。

  • 自己治癒力の活性化:体のバランスを整え、自然回復力を高める。

2. 一般的に使われる経穴(ツボ)

※痛みの原因や場所により異なりますが、以下は代表的な例です:

経穴名(ツボ) 場所 効果の概要
腰陽関(ようようかん) 第4腰椎棘突起と第5腰椎棘突起の間 腰痛全般に使用される主要なツボ
腎兪(じんゆ) 第2腰椎棘突起の左右外側 腎の機能を高め、慢性腰痛に対応
委中(いちゅう) 膝裏中央(膝窩部) 腰背部の痛みに効果的
足三里(あしさんり) 膝の下、脛の外側 体力強化・免疫力アップ、慢性痛にも
阿是穴(あぜけつ) 押して痛む場所(個人差あり) トリガーポイント的に使う即効性のあるポイント

対象となる腰痛のタイプ

  • 筋筋膜性腰痛(ぎっくり腰など)

  • 慢性腰痛(長期にわたる鈍い痛み)

  • 坐骨神経痛を伴う腰痛

  • ストレスや内臓機能の低下による腰痛


⏱️ 治療回数と頻度

  • 急性:1〜2回/週、数回で改善することも

  • 慢性:週1回ペースで1ヶ月以上続けるケースが多い

✅【腰痛の主な原因】

1. 筋肉・靭帯の問題(非特異的腰痛)

  • 姿勢の悪さ、長時間のデスクワーク、重い物の持ち上げなど

  • 筋肉の緊張や炎症

2. 椎間板ヘルニア

  • 椎間板が飛び出して神経を圧迫

  • 坐骨神経痛(お尻〜足にかけての痛み・しびれ)を伴うことが多い

3. 脊柱管狭窄症

  • 加齢で背骨の中の神経の通り道が狭くなる

  • 歩くと足がしびれ、休むと楽になる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴

4. 骨粗しょう症・圧迫骨折

  • 高齢者に多く、軽い衝撃で骨折することも

5. 内臓疾患による関連痛

  • 腎臓(腎結石、腎盂腎炎)、膵臓、婦人科疾患、大動脈瘤など


【主な症状】

  • 鈍い痛み・鋭い痛み

  • 動くと痛む(動作時痛)/安静にしてても痛む(安静時痛)

  • 足のしびれ、力が入りにくい

  • 起床時のこわばりや痛み

  • 立ち上がるときの痛み


腰痛になりやすい姿勢

  1. 猫背(前かがみの姿勢)

     → 背中が丸まり、腰椎に過剰な負担がかかる。

  2. 反り腰(過度に腰を反らせた姿勢)

     → 骨盤が前傾しすぎて、腰椎への圧力が増す。

  3. 長時間の座りっぱなし(特に悪い姿勢で)

     → デスクワークなどで、骨盤が後傾し背中が丸まると、腰に大きなストレスがかかる。

  4. 片足に体重をかけた立ち方(左右のバランスが悪い)

     → 骨盤が傾き、腰周辺の筋肉が緊張して痛みの原因に。

  5. 中腰での作業や持ち上げ動作(前傾姿勢)

     → 物を持ち上げる際、腰で持ち上げると椎間板に強い圧力がかかる。

  6. 足を組んで座る癖

     → 骨盤が歪み、腰周辺の筋肉に偏った負荷がかかる。

  7. スマホやパソコン操作中のうつむき姿勢(ストレートネック気味)

     → 頭が前に出ると、首だけでなく腰にも影響が及ぶ。

【治し方・対処法】

1. 安静&姿勢改善

  • 急性期(ぎっくり腰など):無理せず安静に。寝るときは横向きで膝を軽く曲げて

  • 長期的には座る姿勢・立ち姿勢を見直す

2. 温める or 冷やす

  • 急性期:冷やす(48時間以内)

  • 慢性期:温めて血行促進

3. ストレッチ・軽い運動

  • 腰や骨盤まわり、ハムストリング(太もも裏)のストレッチ

  • ウォーキングやヨガなども◎

4. 整形外科・整体・接骨院に相談

  • レントゲン・MRIなどで診断

  • 専門のリハビリや電気治療、ブロック注射などの選択肢

5. 薬物療法

  • 市販の痛み止め(ロキソニン、イブなど)

  • 湿布、塗り薬(フェルビナクなど)


⚠️【病院へ行くべきサイン】

  • 安静にしても改善しない

  • 足にしびれや麻痺がある

  • 排尿・排便の異常

  • 高熱を伴う

  • 癌や感染症の既往がある


まとめ

原因 対処法
姿勢・筋肉疲労 鍼治療・姿勢改善・ストレッチ
椎間板ヘルニア 病院受診・運動療法・注射など
脊柱管狭窄症 病院受診・リハビリ
内臓疾患 専門科での精密検査
骨粗しょう症 骨密度検査・薬物治療など