当院の腰痛に対する鍼治療は、東洋医学(主に中医学)を基盤とした治療法だけでなく、西洋医学を加味した視点から痛みの原因にアプローチします。
当院では一回で緩解する方が多く、原因により長くても五回までに緩解する方がほとんどです。
どちらに行っても治らない方は是非一度ご来院ください。
腰痛に関係する筋肉
1. 脊柱起立筋群(せきちゅうきりつきんぐん)
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部位:背骨に沿って走る長い筋肉群
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役割:体を起こす、姿勢を保つ
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関与:長時間の座位や姿勢不良で過緊張になりやすい
2. 腰方形筋(ようほうけいきん)
3. 腸腰筋(ちょうようきん)
4. 殿筋群(大殿筋・中殿筋・小殿筋)
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部位:お尻の筋肉
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役割:股関節の伸展、外転、姿勢の安定
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関与:筋力低下で骨盤が不安定になり、腰に負担
5. 多裂筋(たれつきん)
腰痛に関係する神経
1. 坐骨神経(ざこつしんけい)
2. 腰神経叢(ようしんけいそう)
3. 仙骨神経叢(せんこつしんけいそう)
まとめ
分類 |
主な構造 |
腰痛との関連 |
筋肉 |
脊柱起立筋、腸腰筋、殿筋、多裂筋、腰方形筋 |
筋疲労、姿勢不良、筋力低下による痛み |
神経 |
坐骨神経、腰神経叢、仙骨神経叢 |
神経圧迫、炎症による神経性の痛みやしびれ |
✅ 腰痛に対する鍼治療の基本
1. 治療の目的
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気血の流れの改善:気(エネルギー)や血の滞りを解消し、痛みやこりを緩和。
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筋肉・神経の緊張緩和:過緊張状態を和らげ、血流を改善。
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自己治癒力の活性化:体のバランスを整え、自然回復力を高める。
2. 一般的に使われる経穴(ツボ)
※痛みの原因や場所により異なりますが、以下は代表的な例です:
経穴名(ツボ) |
場所 |
効果の概要 |
腰陽関(ようようかん) |
第4腰椎棘突起と第5腰椎棘突起の間 |
腰痛全般に使用される主要なツボ |
腎兪(じんゆ) |
第2腰椎棘突起の左右外側 |
腎の機能を高め、慢性腰痛に対応 |
委中(いちゅう) |
膝裏中央(膝窩部) |
腰背部の痛みに効果的 |
足三里(あしさんり) |
膝の下、脛の外側 |
体力強化・免疫力アップ、慢性痛にも |
阿是穴(あぜけつ) |
押して痛む場所(個人差あり) |
トリガーポイント的に使う即効性のあるポイント |
対象となる腰痛のタイプ
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筋筋膜性腰痛(ぎっくり腰など)
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慢性腰痛(長期にわたる鈍い痛み)
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坐骨神経痛を伴う腰痛
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ストレスや内臓機能の低下による腰痛
⏱️ 治療回数と頻度
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急性:1〜2回/週、数回で改善することも
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慢性:週1回ペースで1ヶ月以上続けるケースが多い
✅【腰痛の主な原因】
1. 筋肉・靭帯の問題(非特異的腰痛)
2. 椎間板ヘルニア
3. 脊柱管狭窄症
4. 骨粗しょう症・圧迫骨折
5. 内臓疾患による関連痛
【主な症状】
腰痛になりやすい姿勢
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猫背(前かがみの姿勢)
→ 背中が丸まり、腰椎に過剰な負担がかかる。
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反り腰(過度に腰を反らせた姿勢)
→ 骨盤が前傾しすぎて、腰椎への圧力が増す。
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長時間の座りっぱなし(特に悪い姿勢で)
→ デスクワークなどで、骨盤が後傾し背中が丸まると、腰に大きなストレスがかかる。
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片足に体重をかけた立ち方(左右のバランスが悪い)
→ 骨盤が傾き、腰周辺の筋肉が緊張して痛みの原因に。
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中腰での作業や持ち上げ動作(前傾姿勢)
→ 物を持ち上げる際、腰で持ち上げると椎間板に強い圧力がかかる。
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足を組んで座る癖
→ 骨盤が歪み、腰周辺の筋肉に偏った負荷がかかる。
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スマホやパソコン操作中のうつむき姿勢(ストレートネック気味)
→ 頭が前に出ると、首だけでなく腰にも影響が及ぶ。
【治し方・対処法】
1. 安静&姿勢改善
2. 温める or 冷やす
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急性期:冷やす(48時間以内)
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慢性期:温めて血行促進
3. ストレッチ・軽い運動
4. 整形外科・整体・接骨院に相談
5. 薬物療法
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市販の痛み止め(ロキソニン、イブなど)
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湿布、塗り薬(フェルビナクなど)
⚠️【病院へ行くべきサイン】
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安静にしても改善しない
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足にしびれや麻痺がある
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排尿・排便の異常
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高熱を伴う
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癌や感染症の既往がある
まとめ
原因 |
対処法 |
姿勢・筋肉疲労 |
鍼治療・姿勢改善・ストレッチ |
椎間板ヘルニア |
病院受診・運動療法・注射など |
脊柱管狭窄症 |
病院受診・リハビリ |
内臓疾患 |
専門科での精密検査 |
骨粗しょう症 |
骨密度検査・薬物治療など |