新宿加藤鍼灸院整骨院の独自の「加藤式不妊治療時の体質改善 」で筋肉の緊張を取り、体温を上げ不妊治療や
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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ
2025.08.23
養生法など
テーマ:
赤ちゃんの初めて物語
はじめて笑った日
ある春の日。
生後2か月の陽翔(はると)くんは、まだ昼夜の区別もなく、よく泣いて、よく眠り、よくミルクを飲んでいた。
パパは在宅勤務、ママは育児にてんてこまい。ふたりとも、寝不足で少しピリピリしていた頃のことだった。
その日も夕方になってぐずりはじめた陽翔くんを、ママがだっこして歩き回っていた。けれど泣きやまない。そこで、パパが試しに顔を近づけて、
「にゃんにゃんにゃー!」
と、思いきり変顔をしてみた。
ふだんは真面目なパパが突然ふざけたのがツボに入ったのか──
陽翔くんの目がまんまるになり、口元がくにゃっとゆるんだかと思った次の瞬間。
「……くくっ」
と、声にならない声で笑ったのだ。
ふたりは目を合わせ、思わず「今、笑ったよね!?」と叫んだ。
ママの目には涙が浮かび、パパは何度も何度も変顔をしては、また笑わせようとした。
笑ってくれるたびに、疲れも、心配も、不安も、全部ふわりとほどけていった。
――その日から、家の中は少し明るくなった。
そしてふたりは思った。
「笑うって、すごい力があるね」
はじめての寝返り
生後5か月を迎えた芽衣(めい)ちゃんは、最近よく床に寝転がっては、体を左右にゆらゆらさせるようになっていた。
でも、あとちょっと、ほんのちょっとのところで、寝返りはまだ成功しない。
おでこにしわを寄せてがんばるその姿に、パパとママは思わず応援したくなる。
「がんばれ、がんばれ……おしい! 惜しいよ~!」
ある日、午前中の家事がひと段落したころ。
ママがちょっと目を離したすきに、芽衣ちゃんが――
くるん!
と見事に横向きからうつぶせになっていた。
「えっ!? めい!? 今の……寝返り!?」
慌ててスマホを構えると、芽衣ちゃんはまんざらでもない顔でニコニコ。
自分でも何かをやり遂げたような、そんな顔だった。
その日、スマホのカメラロールには、寝返りの直後のちょっと誇らしげな芽衣ちゃんの写真が何枚も並んだ。
夜、パパにも動画で報告。
「めい、寝返り成功です!」
夫婦で思わず拍手。
たった一回の寝返りが、家族にとって大きな成長の一歩に思えた。
「次は、はいはいかな」
「いや、その前に……目が離せなくなるね」
嬉しいような、ちょっとさみしいような、そんな春の一日だった。
。
️ はじめてのことば
1歳をすぎた颯太(そうた)くんは、毎日元気いっぱい。
つかまり立ちをしてはニコニコ笑い、たまに何か話しかけているような声を出すけれど、まだはっきりした「ことば」にはならなかった。
ママはよく言っていた。
「最初に“ママ”って言ってくれるかな〜♪」
でも、パパも負けじとアピール。
「そうたー、“パパ”だよ。“パ・パ”! ほら、簡単でしょ!」
どっちが先かな?と冗談まじりの“ことば対決”が日常になっていた。
そんなある朝、ママがキッチンで朝ごはんの準備をしていたときのこと。
リビングから、いつもと違う声が聞こえた。
「……マ、マ」
一瞬、空耳かと思った。
けれど振り返ると、颯太くんがこちらを見つめながら、もう一度──
「……ママ」
言った。
その瞬間、ママの目から涙がこぼれた。
家じゅうの音が止まったような静けさの中に、「ママ」という2音だけがやさしく響いた。
すぐにパパにも報告。
「“ママ”って、言ったの! 本当に、言ったのよ!」
パパは苦笑しながらも、「ま、最初が“ママ”でも、2番目は“パパ”って言うもんね」と言って、颯太くんをぎゅっと抱きしめた。
それから数日、颯太くんは「ママ」「ママ」「ママ」と、何度も何度も言うようになった。
うれしくて、何度聞いても飽きなかった。
――たった二文字なのに、
こんなに胸に沁みるなんて。
赤ちゃんが「ことば」を持った瞬間、家族の毎日は、少しだけ違って見えはじめた。
「パパ」って言ったの、だれ!?
悠真(ゆうま)くんは5歳。妹の結菜(ゆいな)ちゃんは1歳になったばかり。
結菜ちゃんは最近、少しずつ「言葉っぽい音」を出すようになってきた。
パパとママは、「そろそろ初めての言葉が出るかな?」と毎日楽しみにしていたけれど――
ある日、事件(?)は起こった。
リビングで遊んでいた時のこと。
パパがいつものように結菜ちゃんに声をかけた。
「ゆいな〜、パパだよ〜!」
すると……
結菜ちゃんが小さな声で、
「……ぱぱ」
「えっ!!? パパって言ったよね!?」
パパとママが声を上げる。
嬉しくてたまらないパパは、すぐに結菜ちゃんを抱き上げて喜んだ。
その様子を見ていた悠真くん。
ちょっとむすっとして、言った。
「え〜、なんで“ママ”でも“にいに”でもなく、“パパ”なの? にいに、毎日一緒に遊んでるのに〜」
パパは笑って、悠真くんの頭をくしゃっとなでた。
「そうだな〜。でもさ、最初に“パパ”って言ったからって、にいにのことが好きじゃないわけじゃないぞ?」
結菜ちゃんはにいにの顔を見ると、にこっと笑って、手を伸ばした。
それを見た悠真くん、少し照れたように言った。
「じゃあ……今度“にいに”って言ってくれたら、もっと嬉しいかも!」
パパとママは笑った。
きっとその日も、もうすぐやってくる。
家族みんなで笑い合った、結菜ちゃんの「パパ記念日」。
でも実は──にいにの優しさこそが、結菜ちゃんの“言葉”を育てているのかもしれない。