項目 鍼灸・漢方 ビタミンD アプローチ 気血・体質の調整 骨・免疫系への直接作用 対象 冷え・痛み

Blog

新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.07.26

養生法など

テーマ:

関節リウマチの原因と治療法

✅ リウマチの原因(※完全には解明されていませんが、主な説明)

1. 自己免疫反応の異常

  • 本来なら外敵(ウイルスや細菌)に働く免疫系が、誤って自分の関節や組織を攻撃してしまう。

  • これにより、滑膜(関節を覆う膜)に炎症が起こり、関節の腫れや痛みが生じます。

2. 遺伝的要因

  • 特定の**HLA遺伝子(HLA-DR4など)**を持っている人は発症しやすいとされています。

3. 環境因子

  • ウイルス感染

  • 喫煙

  • 歯周病(特にP. gingivalis菌の関与が注目されています)

4. ホルモンの影響

  • 女性に多く(男性の2~3倍)、女性ホルモン(エストロゲン)の関与が疑われています。

  • 妊娠中は症状が軽くなり、産後に悪化する例もあります。


✅ 主な症状

  • 朝の手のこわばり(30分以上続く)

  • 関節の腫れ・痛み(左右対称が特徴)

  • 疲労感・発熱・体重減少などの全身症状

  • 進行すると、関節変形や機能障害を引き起こす


✅ 治療法

1. 薬物療法(主流)

抗リウマチ薬(DMARDs)

  • メトトレキサート(第一選択)

  • サラゾスルファピリジン

  • ブシラミン(日本でよく使われる)

生物学的製剤・JAK阻害薬

  • TNF阻害薬(エンブレル、ヒュミラなど)

  • IL-6阻害薬(アクテムラ)

  • JAK阻害薬(ゼルヤンツ、リンヴォック)

ステロイド・NSAIDs(対症療法)

  • 痛みや炎症を一時的に抑えるために使用


2. リハビリ・運動療法

  • 関節の拘縮や筋力低下を防ぐ

  • 理学療法士による指導が重要


3. 手術療法

  • 関節破壊が進んだ場合に人工関節置換などが検討されます


4. 食事・生活改善(補助的)

  • 抗炎症作用のある食材(青魚、オリーブオイル、野菜など)

  • 禁煙・適度な運動・ストレス管理


5. 補完医療(漢方・鍼灸)※補助的な立場で使用

  • 漢方薬(防風通聖散、桂枝加朮附湯など)

  • 鍼灸:痛み緩和や血流改善目的で用いられる


✅ 早期発見・早期治療がカギ!

関節リウマチは、発症から6か月以内の治療開始が、関節破壊の進行を抑える上で非常に重要とされています。


必要であれば、以下も補足できます:

  • ✅ リウマチの診断基準(ACR/EULAR分類基準)

  • ✅ リウマチと似た疾患との鑑別ポイント

  • ✅ 鍼灸治療でよく用いられるツボや治療例(東洋医学的視点)

     

     

    ✅ ビタミンDとリウマチの関係

    1. 免疫調節作用

    • ビタミンDは単なる骨のビタミンではなく、免疫系の調整役

    • ビタミンDはT細胞やB細胞、マクロファージなどに作用し、過剰な免疫反応を抑える働きがあります。

    • 自己免疫疾患(リウマチ、多発性硬化症、1型糖尿病など)の予防に関与すると考えられています。


    2. リウマチ患者におけるビタミンD不足の傾向

    • 多くの研究で、リウマチ患者はビタミンD濃度が低いことが示されています。

    • 特に疾患活動性が高い人ほど血中のビタミンD(25(OH)D)濃度が低い傾向が見られます。

    • ビタミンDが不足すると、**炎症性サイトカイン(TNF-α, IL-6など)**が増加し、関節破壊が進みやすくなります。


    3. 発症リスクとの関連

    • ビタミンDが十分な人は、リウマチの発症リスクが低いという研究もあります(特に日照時間の少ない地域で顕著)。

    • 妊娠中の母親のビタミンD不足が、子どもの将来的な自己免疫疾患リスクに影響を与える可能性も指摘されています。


    ✅ ビタミンD補充は有効?

    研究の示唆

    • 一部の研究では、ビタミンDサプリメント(例:800〜2,000 IU/日)を補うことで、関節の痛みやこわばりの軽減が報告されています。

    • ただし、ビタミンD単独でのリウマチ治療効果は限定的であり、主に「補助療法」として位置づけられます。


    ✅ ビタミンDの摂取方法

    方法 内容
    ☀️ 日光浴 1日15~30分程度、肌を露出して日光に当たる(UVB)ことで体内合成。高齢者や日焼け止め常用者は不足しやすい。
    食事 鮭・いわし・サバ・干し椎茸・卵黄・キクラゲなどに多く含まれる。
    サプリメント D3(コレカルシフェロール)推奨。血中25(OH)D濃度が20ng/mL以下の場合、医師の指導で補充することも。

    ✅ 適正なビタミンD濃度とは?

    状態 血中25(OH)D濃度
    欠乏 20ng/mL未満
    不足 20〜30ng/mL
    目標値 30〜50ng/mL

    まとめ

    • ビタミンDはリウマチの発症予防・症状緩和に役立つ可能性がある。

    • リウマチ患者は血中ビタミンDを定期的に測定し、必要なら補充を考えるのが望ましい。

    • ただし、治療の基本は抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤であり、ビタミンDは補助的役割

      ✅ 基本的な考え方:

      西洋医学=ビタミンDで免疫・骨代謝を補助

      東洋医学=気血水・五臓のバランス調整で体質改善

      この2つを**「補い合う形」**で併用するのが理想です。


      ✅ ビタミンDと東洋医学の接点

      ビタミンDの作用 東洋医学での類似概念 解説
      骨代謝の調整 「腎は骨を主る」 ビタミンDが骨強化 → 東洋医学では「腎精(腎のエネルギー)」の充実が骨を支える
      免疫調整作用 「正気(せいき)を養う」 ビタミンDはT細胞・B細胞に作用 → 正気=自然治癒力の強化
      炎症抑制作用 「血熱」や「瘀血」の改善 炎症は「熱」や「瘀血(血の滞り)」として捉える。鍼灸・漢方で冷まし流す治療と併用可。

      ✅ 鍼灸とビタミンDの併用

      ◉ 目的:

      • 炎症や痛みの緩和

      • 自律神経・免疫系の調整

      • 気血の流れを整えてビタミンDの働きを全身に届きやすく

      ◉ よく使われるツボ:

      ツボ名 効果
      大椎(だいつい) 免疫力の強化、熱の調整
      曲池(きょくち) 炎症・関節痛の緩和
      腎兪(じんゆ) 骨・腎機能の強化、精力回復
      三陰交(さんいんこう) 血行促進、ホルモンバランス調整
      足三里(あしさんり) 体力強化、免疫賦活

      ※ビタミンDを摂っていても「気のめぐり」が悪いと効果が体全体に行き渡りにくいという考え方があります。


      ✅ 漢方とビタミンDの併用

      ◉ 漢方の目的:

      • 内臓(五臓)のバランスを調整し、慢性炎症を抑える

      • ビタミンDの作用を内側からサポート

      ◉ リウマチ+ビタミンDと相性の良い漢方例:

      漢方薬 適応体質 特徴
      桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう) 冷え+関節痛 関節の冷えやこわばりが強いタイプに。腎陽を補い骨を強化。
      防已黄耆湯(ぼういおうぎとう) むくみ+関節の重だるさ 水毒や湿を取り除き、気を補う。
      四物湯(しもつとう) 血虚体質 血を補って関節の栄養状態を改善。ビタミンDでの骨代謝とも相性が良い。
      八味地黄丸(はちみじおうがん) 腎虚タイプ(高齢・尿トラブル) 「腎は骨を主る」理論に基づき、骨や関節を内からサポート。

      ※個別の体質により処方が異なるため、漢方医・薬剤師の指導のもとで併用がおすすめです。


      ✅ 食養生(食事)の統合

      • ビタミンDを含む食品(鮭、サバ、干し椎茸)と、**体を温める食材(生姜、ネギ、黒ごま)**を組み合わせる

      • 骨・筋肉を支えるため、たんぱく質マグネシウム、ビタミンKなども意識


      ✅ まとめ

      項目 鍼灸・漢方 ビタミンD
      アプローチ 気血・体質の調整 骨・免疫系への直接作用
      対象 冷え・痛み・だるさなど体質症状 骨粗鬆症、炎症抑制、免疫調整
      併用効果 相互補完でより効果的 各々の働きが高まる