状況 推奨される治療 軽症・局所性 外用薬、鍼灸 精神的要因が強い 心療内科、漢方薬、鍼灸 中等度以

Blog

新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ

2025.07.28

養生法など

テーマ:

多汗症治療

多汗症(たかんしょう)は、必要以上に汗をかいてしまう状態で、日常生活に支障をきたすこともあります。

【多汗症の分類】

① 原発性多汗症(原因不明で、交感神経の異常)

  • 10代~30代に発症することが多い

  • 汗をかく部位が限局的(手のひら、足の裏、脇、顔など)

  • 寝ている間は汗が出ない

  • 家族歴があることも多い

② 続発性多汗症(他の疾患や薬剤による)

  • 全身性の発汗

  • 病気:甲状腺機能亢進症、糖尿病、感染症(結核など)、更年期障害、腫瘍

  • 薬:抗うつ薬、血圧の薬など


【主な原因】

原因 内容
自律神経の乱れ ストレスや緊張で交感神経が過剰に働く
ホルモン異常 甲状腺疾患や更年期障害など
薬剤性 一部の薬剤による副作用
精神的要因 社交不安障害やパニック障害との関連も

【治療法】

1. 生活習慣の改善

  • 睡眠・運動・ストレス管理

  • 辛い食べ物・カフェイン・アルコールを避ける

2. 外用薬

  • エクロックゲル(日本初の原発性手掌多汗症治療薬)

  • ラピフォートワイプ(ワイプ型の腋窩用)

3. 内服薬

  • プロバンサイン(抗コリン薬)

    • 汗を抑えるが、口渇・便秘などの副作用あり

4. 注射治療(ボトックス)

  • 手のひらや脇にボツリヌストキシンを注射

  • 効果は数ヶ月持続

5. イオントフォレーシス

  • 手足の多汗に有効

  • 微弱電流を水を介して皮膚に流す治療

6. 手術療法

  • 胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)

  • 重症の手掌多汗症に


【東洋医学・鍼灸・漢方の視点】

● 鍼灸でのアプローチ:

  • 自律神経の調整を目的とした施術(例:内関、神門、合谷などのツボ)

  • 胃腸虚弱・肝の高ぶりなどの体質に合わせた治療

● 漢方薬の例:

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):ストレス性

  • 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう):虚弱体質

  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):むくみ・肥満体質


【受診の目安】

  • 寝ている間も大量に汗をかく

  • 痩せたり動悸・手の震えなどを伴う

  • 日常生活に支障がある

多汗症の治療は、「原因」と「部位(脇・手・足・全身)」に応じて選択されます。以下に、現代医学・東洋医学(鍼灸・漢方)両面から、主な治療法とその選択基準をわかりやすく整理しました。

✅【多汗症の治療法:西洋医学編】

◉ 軽度~中等度の多汗症

外用薬(塗り薬・ワイプ)

  • エクロックゲル(エクリン汗腺を抑制)

  • ラピフォートワイプ(ワイプタイプで腋に適用)

  • 塩化アルミニウム液(制汗剤として保険適用外)

脇や手足の軽度多汗に効果的


内服薬

  • プロバンサイン(抗コリン薬)

    • 全身性の発汗に有効

    • 副作用:口渇・便秘・眠気

  • 精神安定薬(不安が強いケース)


◉ 中等度~重度の多汗症

ボトックス注射(局所治療)

  • 脇・手のひら・足裏に使用可

  • 効果は約4~9か月持続

  • 保険適用あり(腋窩多汗症)


イオントフォレーシス療法(主に手足)

  • 微弱電流を水を介して患部に流す

  • 自宅用治療器もあり

  • 副作用が少ない


手術療法(最終手段)

  • 胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)

    • 手の多汗に有効

    • 代償性発汗(他部位の発汗増加)のリスクあり


【東洋医学による治療法】

鍼灸漢方薬の相談は新宿加藤鍼灸院整骨院にご相談ください。

◉ 鍼灸治療(自律神経・体質調整)

目的:交感神経の高ぶり・ストレス・体内の熱・水分バランスの調整

代表的なツボ

  • 合谷(ごうこく):自律神経調整

  • 内関(ないかん):ストレス緩和

  • 神門(しんもん):精神安定

  • 足三里・陰陵泉:水分代謝・冷え改善

✔ 週1~2回の通院で、数か月かけて体質改善を目指すケースが多いです。


◉ 漢方薬(体質・発汗の状態に合わせる)

症状・体質 適した漢方薬例
精神緊張・不眠・ストレス型 柴胡加竜骨牡蛎湯
虚弱体質・冷え・疲労 桂枝加黄耆湯、防已黄耆湯
のぼせ・自律神経乱れ 黄連解毒湯、加味逍遥散

※ 処方は体質に応じた細かな見立てが重要です。漢方専門医や薬局で相談を。


【治療の選び方まとめ】

状況 推奨される治療
軽症・局所性 外用薬、鍼灸
精神的要因が強い 心療内科、漢方薬、鍼灸
中等度以上・日常生活に支障 ボトックス、内服、イオントフォレーシス
重症・難治性 手術(ETS)

【補助療法・日常対策】

  • 制汗シート・パウダー使用

  • 通気性の良い服装・速乾素材

  • 食事の見直し(刺激物・カフェインを避ける)

  • 睡眠・ストレス管理(瞑想・深呼吸など)