漢方薬の処方は不妊体質を改善するのに十分な生薬が入っているか。鍼と併用する必要があります。
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新宿加藤鍼灸院・整骨院グループブログ
2025.05.31
漢方薬
テーマ:
漢方薬の処方は不妊体質を改善するためには不十分
一般的の漢方薬の処方には不妊体質を改善するために十分な生薬が入っているか
市販の漢方薬には風邪に対応したものが多く販売されています。これは風邪が日常的にかかる疾患であり、比較的軽症なことが多いため、自宅でのセルフケアとして需要が高いからです。
市販の風邪用漢方薬には、以下のような代表的な処方が使われています:
市販の風邪用漢方薬によく使われる処方
漢方薬名 | 主な効能 | 適応する風邪のタイプ |
---|---|---|
葛根湯(かっこんとう) | 発汗・解熱・肩こりの改善 | 初期の風邪(寒気がして汗が出ていない) |
麻黄湯(まおうとう) | 解熱・鎮咳・去痰 | 寒気が強く、発熱がある風邪 |
小青竜湯(しょうせいりゅうとう) | 鼻水・鼻づまり・咳の改善 | 水っぽい鼻水・くしゃみ・アレルギー性の風邪 |
銀翹散(ぎんぎょうさん) | のどの痛み、発熱 | のどの痛みが強い風邪の初期 |
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう) | 微熱、寒気、倦怠感 | 長引く風邪、回復期の不調 |
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、漢方薬の中でもとくに婦人科系の症状に使われる代表的な処方の一つで、「不妊症」にも処方されることがあります。しかし、その効果には限界があり、「不妊の体質改善」という観点から見ると生薬の構成が不十分なケースもある、という指摘は一定の根拠があります。以下、詳しく解説します。
■ 当帰芍薬散の基本構成と作用
構成生薬(全6種):
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当帰(とうき):補血・活血作用(血を補って巡らせる)
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芍薬(しゃくやく):鎮痛・筋肉の緊張緩和、肝をやわらげる
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川芎(せんきゅう):血行促進、冷え改善
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茯苓(ぶくりょう):利水・健脾(体内の水分調整)
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沢瀉(たくしゃ):利尿作用
-
白朮(びゃくじゅつ):脾を補う・水分代謝改善
主な効能:
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血虚(水分と血の不足)・瘀血(おけつ:血の巡りが悪い状態)
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水滞(水分代謝異常)
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冷え・むくみ
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月経不順、月経痛、不妊体質、貧血傾向
■ 「不妊体質」に対しては不十分とされる理由
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補腎薬が含まれていない
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中医学では「腎」は生殖機能を司るとされ、不妊症の治療では「補腎(ほじん)」が基本になります。
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当帰芍薬散には「腎を補う生薬」(例:熟地黄、山薬、山茱萸など)が含まれておらず、「腎虚タイプ」の不妊症には不十分です。
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ホルモン分泌調整に関わる生薬が少ない
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不妊治療で重要な視床下部-下垂体-卵巣系の調整作用がある生薬が構成に入っていません。
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体質によっては逆効果になることも
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「湿熱(体に余分な水と熱がこもる体質)」の人が服用すると、逆に体調を崩す可能性もあります。
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■ 不妊に対してよく使われる他の漢方薬
目的に応じて、当帰芍薬散よりも適した処方があります。
漢方薬名 | 主な適応・効果 | 適する体質や症状 |
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当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 血の巡りを良くし、子宮・卵巣機能を改善 | 冷え性、貧血気味、月経不順、むくみがある人 |
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | 瘀血(血行不良)を改善し、ホルモンバランスを整える | 下腹部痛、月経血に塊が多い、イライラしやすい |
温経湯(うんけいとう) | 冷えによる不妊や月経不順に効果 | 手足が冷える、肌が乾燥しがち、月経周期が長い |
加味逍遙散(かみしょうようさん) | ストレスによるホルモンバランスの乱れを改善 | イライラ、不安感、PMSなどの精神的な症状が強い |
補中益気湯(ほちゅうえっきとう) | 気虚(体力低下)を補い、着床力を高める | 疲れやすい、やる気が出ない、虚弱体質 |
八味地黄丸(はちみじおうがん) | 腎を補い、生殖機能を高める | 加齢による不妊、腰痛や冷え、排卵障害がある人 |
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) | ストレス・自律神経の乱れを整える | 神経過敏、不眠、情緒不安定 |
■ 結論
不妊の体質改善には上記の処方はどれも限定的で十分な処方ではありません。漢方薬を飲んでも効果が少ない、効いた感じがない等お悩みの方は新宿加藤鍼灸院整骨院の院長にご相談ください。
また痛みやしびれ、コリ、だるいなどの不調は新宿加藤鍼灸院整骨院の鍼治療と漢方薬、整体、マッサージの総合自然療法をお試しください
妊娠しやすい体質の特徴
1. ホルモンバランスが良好
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排卵が規則的(月経周期が安定している)
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基礎体温が二相に分かれている(排卵後に高温期がある)
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月経前後に大きな不調が少ない
2. 子宮や卵巣の状態が良い
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子宮内膜が適切に厚くなる(受精卵の着床に重要)
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卵巣機能が正常(質の良い卵子を育てる力がある)
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子宮筋腫や子宮内膜症、ポリープなどの病気がない
3. 血流が良い
-
特に骨盤内の血流が良いことは、子宮や卵巣の健康を保つ上で重要です
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体温が高め(冷え性でない)
4. 栄養状態が良い
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鉄分、亜鉛、葉酸、ビタミンD、タンパク質などが不足していない
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無理なダイエットをしていない、または極端な肥満でもない
5. ストレスが少なく、睡眠が十分
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自律神経やホルモンバランスに影響するため、メンタルの安定は重要
6. 適正な体重・体脂肪
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BMIが18.5~24.9程度
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極端なやせや肥満は排卵障害やホルモン異常の原因になります
7. 性生活が適切に行われている
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排卵期に合わせたタイミングで性行為が行われていることも重要です
体質を改善して妊娠しやすくするには?
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食生活を見直す:バランスの取れた栄養、鉄・亜鉛・葉酸・ビタミンDの摂取
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冷え対策:適度な運動、入浴、服装に気をつける
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規則正しい生活:睡眠、ストレス管理
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婦人科での定期検診:病気の早期発見・治療
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基礎体温の記録:排卵の有無や周期の把握に役立ちます
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鍼と漢方薬を取り入れ体質改善しましょう
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